株式会社 D-WEST様 導入インタビュー
ローランド(Roland)社製UVプリンター「LEF2-200」、グラボテック(GRAVOTECH)社製レーザー加工機「LS100」を導入していただいた株式会社D-WESTの古屋様と村岡様にインタビューを行いました。機械の導入を決めた理由や導入後の反響、実際に使ってみての操作感などを伺いました。
- 株式会社 D-WESTとは -
「And leather」という店舗を構え、初心者から中級者向けに革の材料の販売をされています。はじめは靴屋でしたが、靴のメーカーで不要になり廃棄されてしまう「行き場のない状態の革たち」と「革をもっと気軽に買いたい人」をつなげたいとの想いから「革のAnd Leather」を立ち上げられました。誰でも気軽に革を触って買える店として、浅草橋地区6店舗・日暮里地区3店舗の計9店舗を運営されています。
~色やデザインで、革に新たな付加価値を~
- 不要だった革に付加価値を付けようと思い、
導入に至りました。
UVプリンターを導入しようと思ったきっかけは何ですか?
うちはメーカーや個人の方が不要になった革をメインに仕入れています。仕入れた革の中には、表面の柄や質感で使い勝手が悪い革もあるんです。そういった革もどうにか販売できないかと考えた際に、プリンターがあれば革の色目を変えられるんじゃないかと思いました。
革を色目で選ばれる方というのは結構多いんですよね。なので、不要だった革にお客様の好みの色やデザインを印刷することによって、商品に新しい付加価値をつけようと思い導入に至りました。
その中で、LEF2-200という機種にした決め手は何ですか?
インクの問題ですね。革に印刷するとなるとある程度の柔らかさがないと駄目だということで、ローランドさんのこのインクを使った方がいいよという口コミを聞いていました。他のインクだとインクが硬くて割れちゃうらしいですね。大きさに関しても、A3ぐらいまで印刷できればいいかなと。それ以上になるとコストの問題も出てくるので、この規模が妥当かなと思いました。
革の印刷に向いているインクというのを重要視していたので、UVプリンターに関してはこれ1択でした。
レーザー加工機を導入しようと思ったきっかけは何ですか?
UVプリンターの導入理由と似たようなものですが、不要だった革をお客様の好みに合わせるためには何か加工をした方がいいんじゃないかと考えました。レーザー加工機があれば、カットも名入れも革に刻印するスタンプも作れるので、そうやって不要だったものを加工してオリジナルのものとして提供したいと思いました。
ただ仕入れて販売するだけでなく、自分たち独自のものを作っていかないと、今後生き残っていけないという危機感から導入を検討しました。
その中で、LS100という機種にした決め手は何ですか?
担当営業さんに誘われて一番最初に実機を見に行ったのがグラボテックさんのLS100でした。そこでメリットデメリットをしっかり教えていただけて、対応が良かったのが一番の決め手です。また、ワット数に伴って値段も上がるんですが、将来性を考えたらアクリルもカットできる60Wがいいかなと思いこの機種を選びました。
- オリジナルデザインで革に彩りを加えています。
これを1個単位で作れるというのは、今までになかったと思います。
現在LEF2-200をどのように活用されていますか?
基本的には自分達のオリジナルデザインで革に彩りを付け加え、A4・A3サイズの素材として販売しています。ただの「UVプリンター」だと堅苦しいので、ポップなイメージにするために「あんぷりレザー」という名前で商品展開をしています。 A4・A3の素材だけでなく、実際にその革で作ったポーチやタグ、キーホルダーなんかも販売しています。これを1個単位で作れるというのは、今までになかったと思います。
今は時間的な制約があって、週3~4日、1日にA4サイズを20~30枚ぐらいのボリュームで稼働させていますが、もっともっとやりたいことはあるので、近いうちに稼働時間=営業時間ぐらいまで持って行きたいなとは思っています。
LEF2-200の使用感はいかがですか?
印刷するだけだったら操作もシンプルなので、最初に覚えてしまえば迷うことはないです。ただ、革は表面がでこぼこしているので、最初は高さ調整で苦戦することがありました。今は印刷を繰り返して適切な高さが分かってきたので、そこまで苦労することはないですね。
実際に使用して感じた、LEF2-200の良いところはありますか?
素材とプリントヘッドの高さに結構余裕を持っていても綺麗にプリントされるので、そこが助かっています。最近覚えた機能なんですが、自動高さ検出で最適な高さにしてくれるのもありがたいです。また、illustratorでデザインから印刷までできるのも使い勝手がいいポイントです。大体画面で作ったイメージ通りの色になるので、その辺りの微調整がほぼ必要ありません。
機種選定の決め手であるインクに関してはいかがでしょうか?
速乾性があるので、すぐ触ったり加工できていいですね。インクの割れも無いです。問題点があるとすれば割れというよりも、その革に対してインクが乗るか乗らないかです。革によってはプリントがシールみたく剥がれることもあります。どの革ならインクが乗るかはやってみないと分からず、今データを集めているところではありますが、現状8割ぐらいの革にちゃんとインクが乗ります。あとは色落ちしづらいとか、水に強いですね。
ただ一番の欠点は値段が高いことです。特に白インクは毎回循環するので減りも速いですし。やはりインク代は常に考えてしまうので、正直なところもうちょっと安くしたり、もっと量が入っていて気軽に使えたらいいなと思っています。でもユーロポートのホームページから買うことでポイントが付くので、そこは助かっています。
白インクの印刷は、デザインによって使い分けています。あえて革の質感を残すのであれば一回、デザインをくっきりさせたいのであれば二回印刷しています。やはり濃い色の革に印刷する時は白インクが必須なので使用しますが、通常は革の質感を残すため極力白を使わないようにしています。
トラブルがあった際のサポートは活用されていらっしゃいますか?
使い方で分からないことや、不具合かな?と思ったら連絡しています。地区の担当の方がいらっしゃって丁寧に説明してくださるので、助かっています。こういう状態になったら、次回はこう対処すればいいんだと勉強になります。
機械導入後、お仕事への影響やお客様からの反響はありましたか?
もともと染色された色付きの革はよく売れるんですが、色のついていない皮は売れ残りがちだったんです。そこに印刷を施すことで売れやすくなりました。グラデーションカラーなんかは印刷ならではですよね。オーダー印刷では、お客様から「綺麗に仕上がって良かった」とご好評をいただいております。
革の業界の話になりますが、小ロット1枚からこんなに小さい形でプリントしてくれるところって普通無いんです。もっと大きい革で何十枚何百枚という大ロットでしか受けてもらえないようなものが、低価格で気軽に注文できる、しかもオリジナルというところでの喜びの声を頂戴しています。
- 担当の営業さんが親身になってやってくれたのが一番大きいです。
ユーロポートを知ったきっかけは何ですか?
導入したいUVプリンターの機種は決まっていて、じゃあどこで買おうかとなり、ネットで調べまくりました。相場を知りたかったので何社か問い合わせをして、ユーロポートさんもその中の一社でした。
ユーロポートから購入した決め手は何ですか?
実機を見れるかや値段のこともありましたが、色々とレスポンスが良かったのはユーロポートさんという印象でした。担当の営業さんが親身になってやってくれたのが一番大きいです。本当に真面目に色々と相談に乗ってくれました。また、会社の距離が近かったので、何かあった時に相談しやすいかなとも思いました。
一度試作してみませんかということで、御社のショールームへも行かせていただきました。技術部署の方も同席されて、こういう時はこうした方がいいですよとか、疑問に思ったことにも的確に答えてくれたという信用もありました。
ユーロポート社員による講習はいかがでしたか?
基本の使い方を学ぶには十分な講習だったと思います。ただ、教えられたことしかできていないのでまだまだ色んな機能があるんだろうなとは思っています。使っていて不具合が出たときに自分で直す自信がなくてすぐサポートに電話したりだとか、そういったメンテナンスも含めてもう少し熟知しないと使い切ったとは言えないです。そういう点も含めたら、2時間の講習だけだと独り立ちはできていないという感じですね。それでも1人で説明書だけを見てやるよりは、やっぱり説明書+口頭での説明があった方が理解は早かったです。
購入後のアフターフォローはいかがでしょうか?
本当によくやっていただいているし、何かあった時に頼りになるなと感じています。こういうのは体験しないと分からない部分なので、今機械を買おうと思っている方にどこまで伝わるかは分かりませんが、信用というのは積み重ねでできると思うので、ぜひとも担当営業さんには今後も頑張ってほしいですね(笑)。
- お客様のニーズに合わせたものをスピード感をもって色々と企画し、提供していきたいですね。
今後導入された機械を使用しての事業の展望を教えてください。
UVプリンターは、今はあくまで自分達のデザインをプリントしてお店に並べていますが、どちらかと言えばお客様のオリジナルデザインで依頼を受けて、プリントして納品するといった形に力を入れたいなと思います。写真データを持ってくればすぐに印刷できますよ、とかまずはお客様にどんなことができるかを見てもらって、反応が良いものに絞って深く進めていければと考えています。
今は、個人のハンドメイド作家が趣味だけじゃなく販売もするっていうのがイコールになってきている時代だと思います。そういう人達はオリジナリティーのある商品を作っていますが、革そのものがオリジナルデザインというのはなかなか手を出しづらいです。それを、うちなら小ロット低価格でできるよ、ともっと打ち出せていけたらなという思いです。
レーザー加工機は本稼働前とのことですが、どんな風に使用していく予定でしょうか。
レーザー加工機では、主にアクリルを彫刻してアクリル刻印をやっていきたいです。通常刻印には真鍮を使いますが、長く使い続けられる分、1個の作成コストが高く小ロットに向いていないんです。その点アクリルなら小ロットでもコストをかなり安く抑えられるので、打つのが100回とか、そういう個人向けのものならアクリルでも対応できると考えています。
通販でオリジナルのアクリル刻印を作って販売しているところは何社かありますが、こういう店先でオーダーを受けて売っているところは自分は聞いたことがありません。UVプリンターもそうですけど、オンリーワンになれるのではないかと思います。また、ナイフやはさみでは難しい曲線のカットなど、お客様が持ってきたデータでの革のカットもやりたいです。
自分たちで独自のものを作る手段ができたので、単なる小売から1メーカーに近いようなことができるのではないかと思います。お客様のニーズに合わせたものをスピード感を持って色々と企画し、提供していきたいですね。
- 今回導入した機械 -
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UVプリンター LEF2-200
メーカー:ローランドDG(Roland DG)
多様な素材・メディアや形状に色鮮やかなグラフィックや凹凸のある立体的な特殊印刷ができるフラットベッド方式のUVプリンター。
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レーザー加工機 LS100
メーカー:グラボテック(GRAVOTECH)
卓上サイズでトンボ読み取り機能を搭載。カットだけでなく彫刻のクオリティも優れた一台。
- 株式会社 D-WEST様 -
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