ラテックスプリンターはとにかく幅広く使える!
様々なメディアに印刷可能
屋外の看板やタペストリーや電飾看板など様々な素材に印刷できるラテックスプリンターですが、実際はどんなメディアに対応しているのでしょうか?溶剤プリンターが主流となっている分野でも活躍できる幅広さが魅力のラテックスプリンターは今後さらなる発展の可能性を秘めています。ではその実力とはどのようなものなのか見ていきましょう。
ラテックスプリンターはどんなメディアに対応している?
ラテックスインクの中に含まれている主な成分として、水・ラテックス(ポリマー)・顔料・抗スクラッチ材の4つがあります。印刷の仕組みは、インクを塗布した後、ドライヤーで熱をかけて水分を蒸発させます。するとインクに含まれるラテックスが溶けて顔料と一緒に薄膜を作り出すと同時に、抗スクラッチ材でコートされます。この仕組みのおかげで印刷する素材表面に受理層がなくても、幅広いメディアに対応できることが多い、という訳なのです。
では、具体的にどんなメディアに対応しているのかを使用例と合わせて見ていきましょう。
● ファブリックメディア … タペストリー、オーニング、カーテン、ロールスクリーン
● ターポリン … ビルボード、イベントバナー、スタンドバナー、テント、足場シート、車両幕
● 塩ビ … 屋外サイン、屋内サイン、車両ラッピング、シール
● PET … 欄間看板、電飾サイン、ウィンドウ装飾、柱巻サイン
● 合成紙 … ポスターシート、表題紙
こうしたメディアの他にもノンコート紙やウィンドウ装飾用透明素材、壁紙、和紙、合皮などにも印刷できます。
「塩ビといえば溶剤」ではない!
ラテックスこそ塩ビに適したプリンター
塩ビメディアに溶剤プリンターが使用されていたのには、耐候性に優れており屋外向きの印刷方法として活用してきたという歴史があります。また、インクが定着するための受容層として塩ビフィルムが使われている事から分かるように、有機溶剤を吸収できる非常に相性の良い組み合わせでもありました。
しかし、溶剤プリンターで使用しているインクには有機溶剤特有の強い刺激臭があり、環境や人体に悪影響を及ぼす成分が含まれています。この点については印刷業界でも問題視されており、近年では低刺激なものが主流になりました。ちなみにUVプリンターは撥水性のある素材にはあまり向かないので、塩ビとの相性はあまり良くないため使われることは少ないようです。
ラテックスプリンターで使用しているインクには、これらが含まれないため無害で環境にも配慮されています。印刷物の表面を溶かしていない分縮みにくく、匂いや有害物質の心配がないため屋内の作業でも強制換気の必要はありません。デリケートな環境を必要とする医療機関や教育機関、飲食店などでも安心して使えるので、塩ビのプリントにもラテックスプリンターが広まっています。
無臭で安全、だから室内用途でも安心!
ラテックスインクは無臭で有害物質の心配もないため、屋内施設でも安心して利用できます。また、引火性のある有機溶剤が含まれていないため燃えにくく防火対応の製品にも広く使われています。例えば、防火壁紙や防炎タペストリーやのぼりなど、建築基準法や消防法などによって防炎対応しているものを使用しなければならない飲食店などでも使用可能です。なおかつ、印字品質が高いため内装などのデザイン性を損なう事もありません。このことからラテックスプリンターでの大判印刷は安心・安全な印刷方法だと言われているのです。
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ラテックスプリンターはあらゆるメディアに印刷できる革新的な方法として注目を集めています。また防炎対応の大判印刷も可能になり用途の幅も広がります。さらに細かなデザインまで再現できる高品質な仕上がりはデザイン性を損なうことなくプリントできるので、印刷業界ではあらゆるメディアでラテックスプリンターを使う人が多くなっているのです。