今や、趣味としての「ものづくり」は特別なことではなく、あたりまえのこととなりました。
その実証として、自由に機械を扱えるものづくりカフェが続々とオープンし、またハンドメイド業界がにぎわっています。
ユーロポートでも種類豊富に取り扱っているアイロンシートでのプリントもそのうちの1つです。
アイロンプリントシートは家庭用アイロンでも熱転写できるので、プリントをしたことが無い方でも気軽に始めることができます。
今回はそんなアイロンシートをカッティングマシンでカットして、トートバッグを作ります。
トートバッグはこちらの黒色をチョイスしました。
United Athle 【1508-01】ヘヴィーキャンバストートバッグ(中) 002ブラック
黒って、何にでも合わせやすく1つ持っていると重宝します。
内側にはポケットがついていて、ペンやスマートフォンを収納することができます。
こういうちょっとしたところも大事、使い勝手がよさそうです!
さて、どんなシートを使うか迷いましたが、どうせならインパクトのあるデザインにしたいので、金属箔のようにピカピカしているタイプのシートを選びました。
シートを数色使って多色プリントをやろう!
使用色:RSZ-19 ゴールド / RSZ-48 ブラウン / RSZ-54 シルバー
カッティングには、ブラザー社製の小型カッティングマシンScanNCut DX「SDX1000」を使います。
こちらのスキャンカットDXシリーズには『自動ブレード調節機能』が加わりました。
この説明は後ほど。
カットする
カットデータを準備する
イラストレータ―でカットデータを作成したら、ai形式ではなく「svg形式」で保存します。
自動ブレード調節機能でカット設定がらくらく
では、カットしていくための準備をしていきましょう。
アイロンシートは裏の糊面側をカットします。
したがって、カットデータは左右反転(ミラー)させます。
SDX1000は先ほども述べた通り、『自動ブレード調節機能』たるものが搭載されています。
この機能、ホントにスゴイ。
カットする素材の厚みを検知して、自動で刃出し量やカット圧力を設定してくれるのです。
今まで、種類の違うラバーシートごとに調節したり、設定がうまくいくまで自分で調節してはテストカットを繰り返したりでしたが、その手間が一掃され、検知後すぐに切ることができるようになりました。(テストカット推奨)
カットする
テストカットを経て、刃出し量が定まったら、先ほどsvg保存したカットデータをキャンバスワークスペースにインポートし、データを反転させ*、SDX1000にデータを転送します。
(*あらかじめillustratorの段階で反転させておいても構いません。)
SDX1000にカットデータが届いたら、カッティング開始!!!
全て上手くカットすることができました。
次はカス取り作業をしていきます。
カス取りとは、不要な部分のシートを取り除く作業です。
カッターやアートナイフでもかす取りは可能ですが、【エア抜きカス取りペン】を使用すると、各段に作業性が上がります。
名前の通り、ステッカーシートなどのシールに気泡が入ってしまったときにもエア抜きとして活躍します。
圧着する
カス取りが完了したら、最後の段階、熱圧着です。
今回は、ユーロポートオリジナル 自動アイロンプレス機【PS-4634D】「サターンデジタル」を使用しました。
両端の緑色のスタートボタンを押すだけで上ゴテが閉じ、設定時間が来たら自動で開きます。
プレスが終わるまで押し続ける必要がないので、作業効率も上がります。
また、完全国内生産で、両手でボタンを押すので手を挟む心配のない、人間工学に基づいた安全設計です。
持ち手や縫い目などの段差があると、シートに圧がかからずきれいに転写できないため、トートバッグの中に段差避けのゴムマットを入れます。
コテの外へポケットや持ち手を逃がします。
好みの位置にカットしたアイロンシートを乗せ、2色目のシートの目印になるよう端に耐熱テープを貼っておきました。
いざ、プレス!
プレスが完了したら、透明フィルムを水平に剥がします。
今回のRSZシートは転写条件に則り、完全に冷めてから剥がしました。
目印の耐熱テープに2色目のシートを位置合わせし、同じくプレスします。
最後に仕上げプレスをしたら・・・
メタリックナンバートートバッグの完成です★
キャンバスの粗い地の目になじみ、落ち着いたメタリックになりました。
生地によってメタリックの出方が変わるのもまた面白いですね!
ほんとうにストレッチなのか検証してみた
製作を終えたあと、ふと猜疑の念を抱きました。
「『ストレッチ』っていう名前なだけあって、本当に伸びるんだろうなぁ?」
百聞は一見に如かず。世の声を代表して引っ張ってみましょう。
(キャンバス生地だと伸びないので、RSZをプリントしたTシャツで検証)
・・・参りました。
追随性があり、伸びきってしまうことなくストレッチが効いているではありませんか!
今回はしっかしたキャンバス生地なのであまり気にかかりませんが、Tシャツなどのウェアプリントや、伸びる素材への転写もバッチリですね。
ものづくりを始めてみたい!人と被りたくない!
一際目立つメタリックアイロンシートでオリジナルのウェアやグッズを作ってみてはいかがでしょうか。