昇華転写プリンターSC-F550で小ロットも量産もおてのもの!
2020年11月24日
この突撃シリーズではおなじみの昇華プリンター!
ポリエステル加工されたマグカップやプレート、携帯ケースなどの小物作成から、のぼりやユニフォームの生地の大判印刷まで幅広い『オリジナルプリント』が可能な昇華プリントは、今周りを見渡すと1つは必ず見つけられるほど私たちの身の周りにあふれていますよね。
今回はそんな今を時めく昇華プリンターの小ロットにも量産にも使用できる
こんなサイズが欲しかった!といったニーズに応えた卓上型昇華プリンターSC-F550をご紹介しちゃいます!
目次
1,デスクトップサイズ昇華プリンターSC-F550
2,マグカップ用の円筒プレス機でマグカップにプリント
3,平型プレス機でビブスにプリント
4,真空プレス機でiPhoneケースにプリント
5,蛍光インク搭載!SC-F551
6,おわりに
デスクトップサイズ!エプソンの昇華プリンターSC-F550
それでは早速、エプソン(EPSON)の卓上型昇華プリンターSC-F550についてご紹介しましょう!
そもそも昇華プリンターとは?
以前、昇華プリンターについて詳しくご紹介しているので、ここではさくっとまとめます。
昇華プリンターとは…
① 様々な素材にプリント!
ポリエステル生地や、ポリエステル加工された陶器や金属板などにプリントができます。
② 発色鮮やか!
フルカラーでグラデーションもキレイにプリントすることができます。
③ 素材の風合いを損なわない!
生地を染めるため、シールやラバーシートと違い、貼ったような異物感なくプリントすることができます。
…と、そんな特長を持ったプリントシステムです。
プリントできる素材の種類の多さ、素材の風合いを生かせることから、
アパレルやノベルティーなどのオリジナルグッズ作成にとても人気なんです。
ここでは簡単な紹介だけですが、もっと昇華プリントについて詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく紹介しているので見てみてくださいね。
「昇華プリントとは」
昇華プリンターSC-F550のおすすめポイントとは?
① 昇華プリンター初の24インチモデル
これまでのメーカー純正の昇華プリンターには大型の機種しかなく、A4やA3サイズなど小ロットでのプリントに対応しているものは純正ではない改造機しかありませんでした。
そこで登場したのが、昇華転写プリンター初の24インチ対応(最大印刷横幅604mm)のSC-F550です。
SC-F550は単票の転写紙、ロールタイプ転写紙の両方に対応しているため、小ロット・量産のどちらにも適したちょうどいいサイズの昇華プリンターです。
② メーカー純正だから安心・安全!
SC-F550は純正の昇華プリンターなので、機械トラブルが少なく安心してお使いいただけます。また、エプソン純正の昇華転写紙で使用できるプロファイルが用意されているので、昇華プリンターを初めて扱う方でも楽に導入することができます。
③注入式のインクで低コスト!
SC-F550は継ぎ足し方式のボトルタイプのインクを採用しています。
カートリッジごと取り変える必要がないためインク単価を抑えることができます。
このような特長からSC-F550はこれから昇華プリントでビジネスを始めたいと考えている方や、
小型機からランクアップをしたいと考えている方、中規模のプリント事業をしている方におすすめなんです!
さて、そろそろ実際にどのようにプリントしていくのか気になってきたのではないでしょうか?
早速プリントしていきましょう!今回は、それぞれマグカップ用の円筒タイプ、平型タイプ、真空タイプのアイロンプレス機を使ってプリントをしていきますよ!
マグカップ用の円筒プレス機でマグカップにプリント
まずは昇華プリント用にポリエステル加工のされたマグカップに転写してオリジナルマグカップを作ってみましょう。
転写紙の印刷からしていきます。
マグカップの大きさに合わせたデータをAdobe Illustrator(イラストレーター)で作成し、PDFデータにして書き出し、専用ソフトウェアEpson Edge Printで開きます。
開いたデータを選択して、使用するメディアの設定を行います。
マグカップでは、エプソン純正のロールタイプの昇華転写紙 DS Transfer General Purpose 24インチを使うので 「ロール紙」「24インチ」になるように設定します。
プレビューで確認ができたら、データの準備は完了です。
次にプリンターの準備を行いましょう!
まずは電源を付けて本体に転写紙のセットを行います。
タッチパネルの「用紙設定」から設定をしていきます。
メディアの取り付け方など図解でわかりやすく説明されているので、初めてでも迷うことなくセッティングすることができますよ◎
その他のメディア設定なども順に行ってプリンターの準備も完了です!
それでは、いざプリント!
転写紙に印刷ができました!
タッチパネルで「カット」を選択すると自動でカットします。
1つずつカッターで切り離します。
それではいよいよ転写していきましょう!
使うのは、プレス機ROBS(ロブス)です。
操作パネルで温度と時間を設定します。
設定の温度まで上がるとブザーが鳴って準備完了です!
昇華転写用のマグカップに転写紙を合わせて、
位置がずれないように耐熱の固定用テープで止めておきます。
インクが染みだしてきてしまった時にプレス機に付かないよう、
シリコンペーパーで包んで、プレス機にマグカップをセットします。
レバーを下げてプレス開始!
設定した時間になるとブザーが鳴るのでレバーを上げます。
マグカップを取り出して、素早く転写紙を取り除くと・・・!
わ~!しっかり鮮やかに転写されてる~!
専用プレス機を使うことで、ぐるっとマグカップの周りにプリントすることができました!
マグカップは身近なアイテムだからこそ、
特別感を出すことでプレゼントやオリジナルグッズとしての需要がありますよね!
平型プレス機でビブスにプリント
さて次は、ポリエステル生地のビブスにチャレンジしていきましょう!
実は通気性を損なわない『染める』印刷方法の昇華転写はユニフォームなどのスポーツ業界でも人気なんです!
今回はその生地を染める特長を生かして、アイロンプリントでは難しい穴の開いているビブスにチーム名と背番号をプリントしてみましょう。
まずは先ほどと同じ昇華転写紙 DS Transfer General Purposeにデータをプリントします。
印刷後に1つずつ切り離したら、さっそく転写していきましょう!
今度は生地への転写なので平型のプレス機で行います。
使用するのはユーロポートオリジナルのプレス機、ヘラクレス(PH-4634)です。
ヘラクレスはA3サイズがすっぽりと入る転写範囲を持つ、初めての導入にもおすすめなシンプルで使いやすい手動のアイロンプレス機です。
圧力と時間、温度を設定して準備が整ったら転写していきましょう!
ビブスには穴が開いているため、ビブスとプレス機の間にシリコンペーパーを挟み、下ゴテが汚れないようにします。
プリントする位置決めをした転写紙を固定シートで止め、シリコンペーパーを乗せてプレスしましょう!
時間が来るとブザーが鳴るのでレバーを上げます。
さっと転写紙を剥がして転写完了~!
背面も同じように転写します。
完成~!
昇華転写は白インクがないので、濃色素材へのプリントは難しいのですが、
白以外の淡色素材にも黒インクで転写すると生地の色に左右されずにプリントすることができます。
また、シルクプリントと違い、版を作らないので背番号違いで異なるデータ1つずつでも低コストでプリントを行うことができるので、小ロットでのプリントにもおすすめです!
真空プレス機でiPhoneケースにプリント
続いては、iPhoneケースへのプリントを行ってみましょう!
iPhoneケースへの転写は真空アイロンプレス機 Brabo(CSA-R2D2)を使用します。
ブラボは真空にして熱をかけることができ、iPhoneケースなどの特殊な形状の素材にも転写することができる昇華転写専用のプレス機です。
とりあえず、電源を入れて温度上げておきましょう!
プレス機の温度が上がるのを待つ間に転写紙の印刷を行います。
転写紙は真空プレス機専用のものを使用します。
SC-F550はA3サイズの単票紙も使用できるので、今回はA3サイズの転写紙に印刷してみます。
まずデータの準備から。
ブラボは転写紙と素材を固定することで正確な位置合わせを行うことができます。
そのため、位置合わせのためのマークも転写するデザインと一緒にプリントします。
データを専用ソフトウェアEpson Edge Printに取り込み、用紙サイズを単票紙A3サイズに設定して用意します。
また、排出トレイをプリンターの排出口に取り付けます。
給紙口の右側にある単票紙用の給紙トレイを引き出します。
用紙をセットしたら、プリント準備完了です。
トレイを取り付けることで、プリンター側の用紙設定で単票紙を選択できるようになるので、プリンター側も用紙サイズを設定します。
後は同じく、プリント開始!
用紙をA4サイズにカットし、位置合わせのマークに合わせて穴を開けたら用紙の準備は完了です!
専用の治具に無地のiPhoneケースをセットしてプリント準備万端!
転写紙の準備をしている間に真空プレス機ブラボの温度も上がったようなので早速転写していきましょう!
プレス機のレバーを引き、中をみるとこんな感じになってます。
プレス機の中心の凸に合わせて、治具にも凹があるので合わせてセットします。
四隅に転写紙を止める突起があるので、先ほど開けた穴に合わせて転写紙をセットします。
最後にしっかりと固定して、引き出しを戻します。
「start」ボタンで真空になり、熱転写が始まります。
時間がくるとブザーが鳴るので、引き出しを開け、素早く転写紙を剥がします。
プレス機から取り出し、治具が冷めたら取り外して完成です~!!!
真空にして転写することによって際の際までしっかりとプリントすることができました!
また、真空プレス機ブラボには専用の治具保温機があります。
iPhoneの治具は金属でできており、常温で使用するとせっかく温度を上げたプレス機内の温度が下がってしまいます。
正確&綺麗な転写をするためには使用前に少し温めてプレス機の温度を下げない工夫が必要なのですが、そんな時に役に立つのがこの保温機!
保温機で治具を温めておくことができるので、時間のロスなく連続でプリントすることができるんです!
真空プレス機ブラボと一緒に使うことで生産性がぐっと上がりますよ~!
蛍光インク搭載!SC-F551
さて、これまで見ていただいたように様々な素材に転写でき、いろんな個性を出せる昇華プリントですが、もっとプリントデザインで個性を出したい!そんな方もいらっしゃいますよね。
そこでご紹介するのが、SC-F550の蛍光インク搭載機種のSC-F551です。
見た目、使い方はこれまでご紹介したSC-F550と同じですが、イエロー・マゼンタの代わりに蛍光イエロー・蛍光ピンクのインクを搭載しています。
同じデータでプリントしたものを比べて見るとこんな感じ・・・
SC-F550よりもネオンなカラーで印刷できると共に、
蛍光インクなので、暗いところでブラックライトを当てると光ります!
アクセントのあるカラーを使うことで、
イベントやスポーツファッションなどにおすすめな目を引くプリントをすることができますよ!
おわりに
さて、いかがでしたか?
世の中にあふれている昇華プリントですが、SC-F550のような中型の機械がなかったとは私も驚きでした。
単票紙と24インチロールの印刷ができるSC-F550。
「単票紙(A4、A3サイズ)の昇華プリンターからステップアップしたい!」
「昇華で事業を始めたいけど大型の機械から買うのは・・・」
といった方にもご興味を持っていただき、ユーロポートでも発売からたくさんのお問い合わせをいただいているようで・・・!
実はこの記事の撮影中もデモンストレーションにお越しいただいており、順番待ちをしながら撮影をさせていただきました(^^)
SC-F550の登場により、さらに昇華プリントの世界が広がっていきそうです!
これからも目が離せませんね!
それでは、また次回お会いしましょう~!