ガーメントプリンターの利便性|どんな場面で活躍するの?
「ガーメントプリンター」とはどんなプリンターがご存知ですか?
直接衣類にプリントアウトできるプリンターのことで、かなり利便性が高く導入する企業や業種も増えています。
現在アイロンシートやシルクスクリーンでTシャツ制作している人にも一度は検討して欲しいガーメントプリンターがどのような場面で活躍しているのか見ていきましょう。
ガーメントプリンターとは
ガーメントプリンターとは「ガーメント(garment=衣類)」に直接インクジェットプリントして、
オリジナルのTシャツが作れるプリンターのことです。
自宅でも使用している人も多いインクジェットプリンターとはほぼ同じ原理ですが、紙が布に変わったと考えると分かりやすいです。
別名「Tシャツプリンター」とも呼ばれています。
アイロンシート、シルクプリント、溶剤プリントとの違いは?
自作Tシャツを作ろうとしたとき、どの方法で作るのが良いのか比べた経験はありませんか?
そこでこの3つのプリントシステムを様々な観点から比較してみました。
アイロンシートによるプリント方法
・カッターでもカットできるので比較的簡単に始められる
・Tシャツにシールをアイロンなどの熱で定着させるイメージ
・カッティングプロッターを使用すれば大量生産も可能
・版を作らないので、1枚から手軽に作れる
・好きな場所に貼り付けられる
・背番号やゼッケンなどの使われている
シルクスクリーンによるプリント方法
・Tシャツに直接色を塗るイメージ
・版を作るので大量生産が可能になりコストも下がる
・単色または少ない色づかいの印刷に向いている
・プリントが洗濯に強いなど耐久性も高め
・ガラスや陶磁器などにも印刷できる
・盛り上がったプリントなど個性的なデザインを再現できる
溶剤プリントによるプリント方法
・プリントしたシートをアイロンなどの熱で定着させるイメージ
・フルカラー印刷が可能
・メディアを変えればステッカーなど、Tシャツ以外のものが作れる
・白やシルバーのインクもあり、色彩表現が豊か
・強いインクを使用しているので色落ちしにくい
アイロンシートは小ロットまたは試作品に、シルクスクリーンは大量生産に、溶剤プリントはフルカラー印刷に向いているプリント方法です。
アイロンシートや溶剤プリントはカッティング、カス取りなどの手間や、シルクスクリーンは版を複数必要になるなどのデメリットもあります。
ガーメントプリンターのメリット
ガーメントプリンターは生地に直接インクを乗せて図案を描いていくため、何色使っても複雑なデザインでも作業工程は増えません。
例えば、シルクスクリーンなら1色ごとに版が必要になるため色が増えれば時間もコストもかかってしまいます。またアイロンシートではカットが難しいような複雑で細やかなデザインでもガーメントプリンターなら、
まるで写真を印刷するような感覚でTシャツに出力できるため、デザインの制約が少なく作りたいものを作れるようになります。
また、転写せずに生地に直接印刷しているため、プリント後の手触りや風合いがなめらかなのも特徴です。
グラデーションの表現や、かなり込み入ったデザインのTシャツが小ロットから作れるメリットは
他のプリント・転写方法と比べても一線を画しています。
ガーメントプリンターだからできること
ガーメントプリンターはTシャツ制作だけじゃなく、靴や販促パネルや寝具など様々な素材にデザインを施せるためあらゆる業界で導入されています。
キャンペーンやイベント会場などに設置してその場で印刷するなどのデモストレーションとしても好評です。
ただ前処理剤やプリントされたデザインを定着させるためには必ず熱を加えなければならないため、アイロンプレス機が必要になります。
使用できる生地にもプリント不可なものもあるので、事前に必ず確認するようにしておきましょう。
ガーメントプリンターのメリットは、やはり複雑なデザインを1枚からでも作れる手軽さにあります。
他のプリント方法と比べて使いやすく、人件費などの気になるコストを抑えつつ、高品質のオリジナル商品が簡単に作れます。
ガーメントプリンターはあらゆる可能性を広げてくれる印刷方法として今後も期待されています。
2022年に登場 新製法DTFプリントがガーメントでも活用できる!?
近年「DTFプリント」という新しいウェアプリントの印刷製法があるのをご存じでしょうか。
DTFとは「Direct to film」の略称です。
DTFフィルムと呼ばれる特殊なフィルムにプリンターで直接出力し、ホットメルトパウダーと呼ばれる粉をかけて転写シートを作るプリント方式です。
全く新しい製法で、現在プリント業界でとても話題になっています。
そんなDTFプリントには2種類の製法があり、そのうちの1つがガーメントプリンタ―で可能です。
DTFの2つの製法
- ①プリンターとシェイカーと呼ばれる機械が一体化となっているもので、ロール状のフィルムに印刷を行い、大ロットで転写フィルムを作成していく方法
- ②ガーメントプリンターでA3、A4サイズのフィルムに印刷を行い、手作業でパウダーをかけていき小ロットに効率よく対応していく方法
DTFプリントのメリットとは?
- ①ガーメントプリント特有の前処理加工が必要なく、前処理跡も付かない。
- ②綿(コットン)、ポリエステル、ナイロンといったさまざまな素材に転写が可能。
パウダーの種類によって圧着できる素材が異なります。 - ③従来のガーメントプリントだと印刷しづらいポケット、縫い目の近く、靴下、肩のワンポイント、ロンTの袖、Tシャツのタグなどあらゆる場所にプリントが可能。
- ④デザインを複数同時に面付けして1度にプリントが可能。
小さいデータであれば大量生産の場合に非常に効率的。
DTFプリントは、ガーメントプリント特有の濃色生地への前処理剤の塗布がなくてもプリントが可能で、その場合は、前処理跡が付かないのでキレイな仕上がりになります。さらに、位置合わせが難しい箇所にも簡単に転写が可能です。
ガーメントプリンタ―でDTFプリントを行う際に必要なものは、「ヒートパウダー」「フィルム」の2つだけです。今までガーメントプリンターではできなかったことが、新しい機械を導入せずDTFを導入するだけでプリントが可能になります。これまで以上にお客様からの要望に柔軟に答えることができ、ビジネスの幅が広がります。
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