ガーメントプリンター(DTG)のユーザーなら1度は「前処理剤の塗布が面倒」「ナイロンに印刷したい」「ポケットや袖などにワンポイントで印刷したい」「Tシャツを一枚一枚印刷するのではなく、一度に大量印刷したい」と感じたことがありませんか?
そんなお悩みを一発で解決できるのがDTFプリントと呼ばれる最新技術です。
そこで今回はガーメントプリントでDTFを導入するべきメリットと、その作り方をご紹介していきます。
DTF(Direct to FILM)プリントとは
DTFプリントとは「Direct to film」の略称です。
DTFフィルムと呼ばれる特殊なフィルムにプリンターで直接出力し、ホットメルトパウダーと呼ばれる粉をかけて転写シートを作るプリント方式です。全く新しい製法で、現在プリント業界でとても話題になっています。
そんなDTFプリントには2種類の製法があります。
①プリンターとシェイカーと呼ばれる機械が一体化となっているもので、ロール状のフィルムに印刷を行い、大ロットで転写フィルムを作成していく方法
②ガーメントプリンターでA3、A4サイズのフィルムに印刷を行い、手作業でパウダーをかけていく方法
今回は2つ目のDTFプリントの製法をご紹介いたします。
それではガーメントプリンターを使ったDTFプリントのメリットとデメリットを解説していこうと思います。
メリット
- ガーメントプリント特有の前処理加工が必要なく、前処理跡も付かない。
- 綿(コットン)、ポリエステル、ナイロンといったさまざまな素材に転写が可能。
- パウダーの種類によって圧着できる素材が異なります。
- 従来のガーメントプリントだと印刷しづらいポケット、縫い目の近く、靴下、肩のワンポイント、ロンTの袖、Tシャツのタグなどあらゆる場所にプリントが可能。
- デザインを複数同時に面付けして1度にプリントが可能。小さいデータであれば大量生産の場合に非常に効率的。
今までガーメントプリンターではできなかったことが、新しい機械を導入せずDTFを導入するだけでプリントが可能になります。これまで以上にお客様からの要望に柔軟に答えることができ、ビジネスの幅が広がります。
デメリット
- ガーメントプリンターに比べて貼り付けた感がでてしまうため、Tシャツ一面に印刷するようなベタ印刷には向かない。
- 通常のガーメントプリントよりも、パウダーを定着させる工程が一つ増えてしまう。
パウダーを定着させる作業が少し手間かもしれませんが、これらのデメリットを踏まえても、先に述べたようにDTFにはそれを上回る圧倒的なメリットがあります。
また実際に印刷したサンプルがございますので、気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
作業方法もユーロポートでデモンストレーションを行い確認できますので、併せてご連絡くださいませ。
実際にDTFプリントフィルム&ホットメルトパウダーを使用してTシャツを作成してみる
ここまで「DTFプリントとは?」「メリット・デメリット」について説明してきましたが、実際にTシャツを作成する工程をお見せしていきます。
印刷工程その1:DTFフィルムをガーメントプリンターにセットし印刷する
DTFフィルムには表(マット)と裏(グロス)があり、マットの面が上になるようセットします。
DTFフィルムが浮かないよう四隅をマスキングテープなどでプラテンに固定します。
セットが完了したら、次はガーメントプリンターの印刷設定に移ります。
ここで以下の2点を注意しなければなりません。
- ①デザインデータを左右反転させる
- ②カラーインク→ホワイトインクの順番で印刷する
これらの設定を行い、プリンターのスタートボタンを押して印刷開始です。
印刷が終わりました。
データも左右反転しており、ホワイトインクも上に来ています。
印刷工程その2:印刷されたDTFフィルムにホットメルトパウダーをかけていく
次の工程は先ほど印刷したDTFフィルムにホットメルトパウダー(粉)をかけていきます。
こちらのパウダーは熱をかけると溶け、インクとTシャツなどの素材をくっつける糊の役目となります。印刷された部分にのみパウダーがかかるようになっています。
DTFフィルムに均等にパウダーがかかるようにします。
裏側から指でフィルムを弾いて余分なパウダー払い落としていきます。
余分にパウダーをかけすぎた場合でも、再利用が可能ですので捨てないでください。
DTFフィルムにパウダーが均一にかかったら、アイロンプレス機でパウダーを溶かします。
DTFフィルムがアイロンプレス機の熱ゴテに付かないよう、ゴムマットなどを間に挟んで非接触で熱をかけます。
転写フィルムが完成しました。これで大量に作製してストックできますね。
受注が増えるシーズンに合わせて転写フィルムをあらかじめ多く作成して、短納期を実現できます。
逆にオフシーズンには作成する枚数を減らすこともできるので、お客様の需要に合わせて対応することができます。
印刷工程その3:完成したDTFフィルムをTシャツに転写する
それでは最後に完成したDTFフィルムをTシャツに転写していきます。
まず面付されたDTFフィルムを適切な大きさにカットしておきます。
仮プレスを行いTシャツのしわを伸ばします。
転写したい場所にDTFフィルムを配置し、上からシリコンペーパーをかぶせます。
圧着が完了したらDTFフィルムを完全に冷まし、勢いよくDTFフィルムを剥がします。
最後に仕上げプレスを行い、しっかりと生地に圧着しTシャツの完成です!
DTFプリントの仕上がり、風合いは?
気になるDTFプリントの仕上がり、風合いを見ていきましょう。
縁までしっかりと印刷、転写されていますね。
また、このような細かなデザインでもキレイにプリントできます。
濃色生地への転写でも発色は鮮やかです。
DTFプリントはガーメントプリント特有の濃色生地への前処理剤の塗布がなくてもプリントが可能です!
その場合、前処理跡が付かないのでキレイな仕上がりになります。
加えて前処理剤の塗布はコツや慣れが必要な作業ですが、DTFプリントは前処理剤よりも簡単で作業性が高いです。また綿(コットン)にはもちろん、ポリエステル、ナイロン(※)にも圧着できるのでスポーツチームのユニフォームなどのドライTシャツ、イベントブルゾンなど、さまざまな用途で使用できます。
ホットメルトパウダーの種類によります。
DTFのことならユーロポートにおまかせ!サンプル作成&デモンストレーション
いかがでしたでしょうか。DTFプリントについて理解は深まりましたか?
DTFプリントのポイントをまとめるとこんな感じです。
- 前処理剤が不要なので作業性が高く、前処理跡が付かない。
- 綿、ポリエステル、ナイロンに対応。(ホットメルトパウダーの種類による)
- ポケットや袖、首元のタグなど今まで印刷が困難な部分へのワンポント印刷が可能。
- ⼩ロットから⼤ロットで制作が可能。また、製作したデザインはストックできる。
新しく機械を導入せずDTFプリントを導入するだけで、今まで大変だった前処理剤や位置合わせなどのお悩みを一気に解決でき、ビジネスの幅をより広げることができます。
DTFプリントについてもっと詳しく知りたい、無料サンプルが欲しい、実際にデモンストレーションを見てみたいという方は、ぜひユーロポートにお問い合わせください。ショールームにてデモンストレーションが可能です。
トナー転写プリントや溶剤プリント、UVプリントなどのさまざまなプリントシステムを取り扱うユーロポートならではのプロ視点から印刷の工程、仕上がり、特徴を丁寧にご説明いたします。
下記の1分で終わる簡単フォームからお問い合わせいただけます。
ご不明点、気になることがあればお気軽にお問い合わせください!
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